前回の記事で半分ほど解体が進んだ物置小屋。
前回の約4時間の作業で屋根と壁部分は解体できたものの、
床と躯体(骨組み)部分までは解体を済ませることができませんでした。
その残りの部分を解体して更地にすべく、翌週末に残りの作業を実施したので、
今回は後編と題して、その時の覚え書きを書いておこうと思います。
なかなか進まない小屋解体
前回同様に、まず打ち込んである釘付近をバールでこじ開けてスキマを作り、
生まれたスキマにバールをねじ込み、あとはテコの原理を用いてひたすら剥がす…
…という工程で進める作戦です。
前回作業で残ってしまっていた天井付近の壁を難なく破壊し、
「前回の作業で経験値を得たせいか今日は順調そうだな、ふふん」
なんて余裕でいられたのもここまで。
そこからいざ柱を倒しにかかると、これが想像以上に難儀でした。
上記がひとまず屋根と壁を完全に剥がし終えたところです。
このあと、上部から順に躯体(骨組み部分)を解体していきます。
躯体の解体も、基本的には屋根や壁と同様にバールを用いて行ったのですが、
これが結構な間違い…というか間違いではないのでしょうが、とても骨の折れる方法でした。
とは言え難儀であることは作業を始める前から理解をしていましたし、
ノコギリで切断しながら少しずつ解体していくことが正解であるとも把握していました。
ただ、持ってなかったんですよね、丸ノコやジグソー。笑
手ノコはあったのですが、手動で切断するには結構な労力と時間がかかりそうだったのでバールで一気に剥がしてしまえ!と強行をしました。
でも今思えば、おそらく手動で切断した方が作業時間は短かったかもしれませんね。
なので小屋の解体をご自身で行うことを検討されている初心者の方がこの記事を読むようなことがあれば、声を大にしてお伝えしたいです。
躯体の解体はノコギリで切断しながらの方がおそらくスムーズです!と。
救世主の登場
上記の写真のようなバールでの作業をひた繰り返し、なんとか屋根部分の中央を横断していた木材を剥がし終えたのが以下の写真です。
改めて記載しますが、僕はDIY素人。
そんな素人でもなんとか天井部分までスケルトンにすることができたので、
そんな自分に対してよく頑張ったぞ、よく頑張った!と褒め称えたい気持ちが高ぶっていましたが、この記事を読まれている聡明な読書様ならお気づきの通り、見た目的にはあまり作業が進んでいません。汗
更にはこの残った柱たち(鬼滅の刃みたいな表現ですね)がなんとも強く、ちょっとやそっとじゃビクともしません。
手元にあるのは小さなバール…。
躯体部分はこの小さなバールでどうにかなりそうなものではなく、この日のうち…どころか作業の終わりがまったく見えずに途方に暮れ打ちひしがれかけていたそんな時、「おーい、どんな塩梅だい?」との声が聞こえたのです。
声の主は屋内で作業中だった大工さん。
小休止がてら様子を見にきてくれたのでした。
道具が大切
「いやぁ、まったく歯が立ちません笑」と進捗状況と手持ちの道具(バール1本)を伝えたところ、苦笑いをしながら「ちょっと待っとけぇ」と。
そして数分後に現れた棟梁の手には大型木槌と大きなバールがありました。
「そんな小っけぇバールひとつじゃ厳しいぞい」と優しい呆れ顔で微笑みながら、
前述の大型木槌と大きなバール(※1mを超える長さのもので、バラシバールなんて呼ぶようです)手渡してくれた棟梁。
上述の写真にあるように全長50センチに満たないくらいの比較的小さな(と言っても素人にはほどほどのサイズに感じられていたのですが)バールひとつで作業を進めていたのですが、この道具ではどうやらハナから無理があったようです。
組み立てに比べたら壊すことなんてカンタンじゃないかという甘々な認識で取り掛かっていた様子が見受けられますね。
大きな事故や怪我につながらなくて本当に良かったと思っています。
知識と経験も大切
「この現場にいる間は道具置いとくから、使って良いかんない」と手渡された大きな木槌とバール。
受け取った道具のズッシリとした重さを感じると共に、自身の解体への認識の甘さを握りしめつつ、それらの道具を眺めていると、「使い方分かっかい?」と大工さん。
正直全く分からなかった(笑)ので、素直に「どう使えば良いですか?」と聞いてみると、棟梁は「ちょっと貸してみ」と木槌を手に取り、柱に向かってかなり思い切りの良いスイングでスコーンと打ち込みはじめました。
小気味よくスイングすること数発。
端の柱が倒れかかり、それに伴って躯体が大きく歪みました。
(あまりに一瞬のこと過ぎてハッキリとは覚えていないのですが、柱の上の方を数発、それから下部を数発…釘やかすがいから引き剥がす方向に向かってスイングしていたように思います。)
※図解もできず説明も下手くそですみません。
躯体が歪んでしまうと「こうなったらこっちのもんだ」とばかりにバールと腕力でガシガシと柱を倒し、「こうやるんだぞ」と笑顔の棟梁。
知識とキャリアの差は歴然でした。
結局一通りすべて解体して去っていく棟梁
「やり方わかったかい?」と笑顔の棟梁に対し、「早すぎて見えなかったです笑」と答える情けない僕。
すると、「どれもう一回やってみせっから」と軽やかに木槌を振るう棟梁。
その結果…。
びくともしなかった躯体が、わずか10分もかからない時間で綺麗に姿を消しました。
本当に驚いた時、人って笑いが漏れるんですね。
プロの仕事の早さに圧倒されて「うわ、ヤバ。笑」と連呼しているうちに棟梁は、
「ありゃ、ぜんぶ倒しちまった、ごめんない。笑」
と笑顔で一言発し、屋内へと去っていきました。
その姿はまさしく文字通り、見返りを求めず、そして多くを語らずに去ってゆく英雄。
こんなおじいちゃんになりたい!と思える姿でした。
…ということで、難儀だった柱の撤去をプロに頼るというチート技で悠々と切り抜け、残った床部分も、これまたお借りしたバラシバールを用いて難なく片付け、無事に小屋解体のミッションを済ませることができたのでした。
やはりこういった作業に置いては知識と経験が圧倒的な差を生み出すわけですが、事前にそれを補うための知識を多少なりとも頭に入れておくことと、作業に適した道具を選ぶことが大切だと改めて感じました。
DIYを甘く見てはいけないのだな、と。
なにせバールのサイズが変わっただけで作業効率が圧倒的に変わりましたから。笑
忘れてはいけない廃材処理のこと
尚、小屋解体において忘れてはいけないのが廃材のことです。
今回解体した物置小屋のサイズは、幅約5100mm×高さ約2300mm×奥行き約1600mmくらい。
その範囲の解体だけでも上記の写真くらい廃材がでました。
これも認識が甘かったので、「廃材は自分でゴミ処理場に持ち込みます」なんて豪語していたのですが、
①想定以上の量だったことと、該当自治体のルールでは長さ1m以内のものであれば事前申請有りの場合無償で一般ごみとして受け入れられるものの、
②物量や内容によっては産業廃棄物扱いとなって受け入れの方法が変わるということから、解体をすすめるうちに自分での持ち込みが現実的ではないな…と認識を改めました。
電動ノコギリがないので1m以下に切断することもできないですし、運搬についても最低でも軽トラックが必要ですしね。
ということでこの大量の廃材は、内装工事をお願いしているリフォーム会社さんへまとめて処理してもらうことにしました。(その分処分料が追加となりました。処理費と積込み運搬費併せて3万円ちょっとだったかと思います。)
前述の通りこのあたりの廃材の処理については各自治体ごとにルールが異なるので、該当地域の市町村役場へ相談するのが確実ですね。
分別作業も必要
廃材の処理をリフォーム会社さんへまるっとお願いをしたので気にせずに済んだところではあるのですが(本来ならば気にしなければなりませんが。)、廃材は分別の作業も必要です。
あとからやろうとするととても面倒な作業なので、解体をしていく流れの中で素材ごとに分別をしておくと、解体後の手間が少なく済むので良いと思います。
また、釘抜きなども必要ですよね。
※釘抜きについては踏み抜きの事故防止のために、可能な範囲で都度行っていました。
ただ、抜けない釘はハンマーで折り曲げてしまっていたのできっと処分の際に手間だっただろうなと反省しています。
結局いくら浮いたのか
そもそもこの小屋の解体を自身でやろうと思ったのは、前回の記事の冒頭でも少し記しましたが、予算を削減するためでした。
では実際にこのサイズの小屋の解体でいくら浮かすことができたのか…という点ですが、概算ですがおよそ9万円。
(見積もり段階ではこれに産廃処分費と積込み運搬費を併せて約13万円でした。)
この金額をどう見るかは、それぞれの価値観によって変わってくるところだと思いますが、個人的にはこの浮いた分の予算を内部の設計(デザイン面)に回せると考えるとすごくプラスだったのではないかと思っています。
なにより小屋を解体するという経験は、なかなかすることができないですしね。笑
↓解体した跡地のお話はこちら↓
コメント