「施工現場に足繁く通ってしまう」というのは自邸の建築中あるあるではなかと思いますが、私も例にもれずそのクチで。
現場へと足を運んでいると大工の棟梁と話す機会も増え、話の中で大工道具についてのアレコレをたくさん聞くこともできたので、「道具好き」な自分にとってはそれはとても興味深い時間を過ごさせていただいていました。
端材で作る作業台
当然ながら現場には様々な大工道具がありまして、ホームセンターで売っているようなのものもあれば、本格プロ仕様の見たことのないものまで、それはもう興味を惹かれるものばかり。
そのような様々な道具の中で個人的に一番興味を惹かれた道具が「作業台」。
使い込まれて味わい深い経年変化をした木製のそれは、古道具店の片隅に佇むアンティークな家具のよう。
その飾らないシンプルなルックスと利便性、携帯性に心を奪われたのでした。
形としてはこのようなものです。ペケ台なんて呼ばれてるみたいですね。
「この作業台、すごくかっこ良いですね」と話せば
「え、これがかい? ほぇ〜物好きもいるもんだない」と棟梁。
大工さんたちの間では端材で作り、そして当たり前に使われているものなので、興味を示すことに逆に興味を示される始末。
いずれ自分でも作ってみようかな、なんて考えながらアレやコレやと質問しながら細かく観察をしていると、あまりの熱心さに呆れたのか冗談交じりで「ま、もし端材が出たら作ってやるかいの〜」なんて呟いてくれていまいした。
大工工事が終わったあとで
そんな会話をした日からしばらく経った頃、担当の設計士さんから大工工事が完了したとの連絡を受けて現場へと向かうと、荷物置き場として使っていた部屋の片隅に真新しいペケ台がそっと置いてありました。
そのときの写真がこちら。
ほんの些細な会話を覚えてくれていたという驚きと感動は忘れられません。
大工工事が終わったあとはすぐさま別の現場へと移ってしまうので、感謝を伝えることもないまま会わずに過ぎてしまいましたが、なんとも素敵な置き土産。
目に触れる機会はないとは思いますが、この場を借りてお礼の言葉を。
ありがとうございました。
このペケ台の出番は多く、現在も絶賛稼働中です。
簡単に分解できるので保管する際にも場所をとらないですし、天面の汚れやキズなどを気にする必要もなく思い切って使うことができるので、DIY作業にとても重宝しています。
棟梁が使っていたもののようなアンティーク感が出るまで使っていきたい愛用品となりました。
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