剥がした天井を見上げてはテンションが上がっているうちにも(前回記事参照)、着々と床の工事が進んでいきます。
そんな中、設計士さんから「床材が搬入されたので、そろそろ床の施工に入っていきそうです。床材は隣室に置いてあるので良かったら見てみてください!」と連絡をいただいたので見に行ってみることにしました。
わざわざ床材を見に行ったというのも、かねてから「床は無垢材!」と夫婦揃っての希望があり、ある意味この家のリノベーションにおける一番の要所でもあると踏んでいた床材だったからという単純な理由。
要は、(サンプルで端材は見ていたものの)実物がどんなものなのかを実際に早く見てみたかったという好奇心が強かっただけです。
部屋のイメージって、床の色味や材質、貼り方でだいぶ印象が変わりますもんね。
結果としては、確認させてもらってとても良かった…ということになりました。
サンプルで見ていたものとは印象が違いすぎた
まず、設計士さんとのイメージの共有としてピックアップしていた画像は、以前の記事にもアップしていたこのようなものです。
やや赤みがかったような、無垢材。
打ち合わせのカットサンプルでも、このようなイメージに近しいものを見繕っていただいて「じゃあそれにしましょう!」となったのですが…
※ちなみに見ていたカットサンプルは、ごくごく一般的な、このようなサンプルです。(色味はことなります。)
このようなカットサンプルのカラー違いをいくつか見る中で、イメージに近しいものを選びました。
いえ、正確には選んだつもりでいました。
そして更には、勝手なイメージが先行してしまっていたのか、サンプルではない実物は、つなぎ目等のない、長い1枚ものの木材であると思いこんでしまっていたんですね。(後述の理由①)
そのようなイメージを持ったまま現場へと向かうと、そこにあった床材がこちら…(実際の写真)
!?!?!?
目が点になる…といった表現にぴったりな状態でした。
業者さんが間違えて発注したわけではありません。
再度確認してもらっても、サンプルで見たものと型番等は同じでした。
床のイメージは部屋のイメージに直結する…。
そしてイメージとあまりにも離れているものがそこに在る。
(写真上部に写っている白い箱が既に納品されている床材です…大量にある…)
これは由々しき事態となってきました。
なぜこうなったのか
こういった不測の事態が起こったとき、原因を探ることが大切ですよね。
どこでボタンがかけ違ってしまったのかを把握することで、その後の心の持ちようや対応策、打開策が変わってくると思っています。
ということで分析を進めるわけですが、それはもうあっさりと理由へと辿り着きました。
理由①:床材に対する認識の相違
一番の理由はこれ。
見出しにある通り、設計士さんと自分たちとの床材に対する認識の相違があったのです。
僕は、床材といったら長い一枚のものと思い込んでいたので、つなぎ目があるだなんて微塵も思っていなかったんですね。
※つなぎ目と呼んでいるのはこちらの箇所です。
もう少しわかりやすくイメージ図を記すと、つまりはこういうことです↓
このイメージの相違が1つ目の理由でした。
理由②:カットサンプルが絶妙な位置だった
イメージの相違があったところで、カットサンプルを見れば繋ぎ目の有無なんて事前に把握できそうなものですが、
そこにこの2つ目の理由であるカットサンプルの位置が絶妙すぎたという点が関わってきます。
どういうことかと言いますと、ちょうど繋ぎ目の部分をカットしたサンプルだったということだったようです。
おそらく、このへん↓
そう、ちょうどこのあたりがサンプルとなっていたので、繋ぎ目があるだなんて思いもしなかったのでした。
(理想の仕上がりイメージの写真を共有していたので、油断していたというのもありますね。)
理由③ : サンプル確認をした時の環境光の影響
理由①と②で、繋ぎ目については把握できました。
では、色のイメージの相違はなぜ起こったのかという点について。
これについては、サンプル確認時は環境光が絡み合って理想の色に近いと見えていたという点に尽きると思います。
実を言うと、複数枚見せていただいたカットサンプルの中に、ドンピシャなものはなかったんですよね。苦笑
おそらく当初設定していた予算内で収めるために設計士さんがアレやコレやととても頭を悩ませてくださって、その中から導き出した最大公約数的な最適解。
その結果たどり着いたのがカットサンプルとして見せてくださった木材だったと思うんです。
「無垢材の床にしたい。けど予算は決まっていて他のところで圧迫していたりする。」という状況ですからね。
無茶な要求になんてこった…と思われたに違いありません。
そういった背景もあるんだろうなぁと感じたので、こちらも「ドンピシャなものはない!」とは伝えずにカットサンプルの中から、イメージに少しでも近い床材を選んだつもりでいました。
ですが、この打ち合わせを行ったのは日も暮れた夕方(というよりも夜)、さらには打ち合わせを行ったショールーム兼オフィス内は蛍光灯や暖色系のライトなど様々な色の要素が入り混じる環境。
また、カットサンプル事態もこの木材にしては色が薄かった箇所だったのかとも思います。(※天然材なので、部位によって色が異なります)
その中でチョイスしたものが、結果として上記写真のものだったと…おそらくそういうことだったんだろうなぁと推察しました。
設計士さんとリフォーム会社さんの神対応
既に納品されてしまった床材の山を横目にしながら、
理想と現実の差に僕たち夫婦は呆然としていました。
「ちょっと違うけど、まぁ良いか〜」というレベルではなかったので、おそらく結構言葉に詰まっていたと思います。笑
そんな姿を見て、設計士さんも少々言葉を詰まらせているようでした。
事実、設計士さん自身も届いた床材を見てちょっとイメージと違うよなぁと感じていた節もあったようで、
かつ、床材の形状(主に繋ぎ目)に関する説明が不十分でした…と逆に負い目を感じてくださっていて(あとカットサンプルはやっぱり実物と結構違いました。苦笑)、
そんなこともあり、納品された部材も含めなんとかならないか状況を一旦持ち帰って再検討してくださることに。
(この時点で一度目の神対応!)
ただ、建築業界では納品後の返品というのは基本的にはNGとなることが多いようで、
そのあたりは会社としての判断となるのでどうかなんとも言えないとのことではありましたが、
掛け違えてしまったボタンを元に戻せる可能性が見えてきた瞬間でもありました。
結果、床材を変更していただけることに。
持ち帰ってくださった2〜3日後に連絡がありまして、
結論としては、床材を再度選定し直していただけることになりました。(二度目の神対応!)
可能性としては繋がったものの、全部納品された後だしきっと厳しいかもなぁと思っていたので感激と安堵です。
なにより、対応が素晴らしく早かったのと、嫌な顔ひとつせずに親身に対応してくださったことが素晴らしかったです。
こうしてこの時にお互いに「やっぱりやるなら妥協せずにトコトンやろう」という意識が芽生えた……ような気がしました。
サンプル確認の際は部材と環境光にご注意を。
サンプルといえども環境光によって見え方も異なるし(日中の自然光での確認を推奨します)、
カット位置によってはイメージと違うものとなる恐れがあるので、部材について疑問に感じる点やイメージとの相違がないかをしっかりと細かく確認することは大切だよなぁと改めて感じる出来事となりました。
設計士さんたちは慣れてるから当たり前にわかるようなことでも、素人にはわからないことが多いですしね。
ガンガン質問しても良い(というかすべき)かなぁと、個人的には思います。
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−細かい要望や質問に怪訝そうな顔をせず、きちんと対応してくださる会社さんと設計士さんに担当してもらえてとても良かったなぁと、完成した我が家の床を見るたびに夫婦の間でよく話に上がったりしています。
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